鯨舟レース

当時をそのまま再現した「古式レース」

古式捕鯨

藩政時代(江戸時代後期から明治時代初期にかけて)、室戸では捕鯨が盛んに行われていました。当時の捕鯨方法は古式捕鯨と呼ばれています。古式捕鯨とは、20隻ほどでチームを組み、鯨を網で追い込んだ後に銛を使って仕留めるという形式のものです。舟にはそれぞれ役割があり、網を張って鯨を絡ませる「網舟(あみぶね)」、鯨を網に追い込み、銛を投げて仕留める「勢子舟(せこぶね)」、捕らえた鯨を運搬する「持双舟(もっそうぶね)」などといった種類があったようです。

その中の勢子舟を再現し、それに乗って競争しようというのがこの鯨舟レース、毎年7月に室戸市で開催されている「ふるさと室戸まつり」の中で行われているイベントです。正式名称を「土佐室戸鯨舟競漕大会」といい、チーム対抗のタイムレースとなっています。

鯨舟レース

会場はイルカでおなじみの室戸岬新港。大会では藩政時代そのままに櫓を操って行う古式レース(写真上)の他、オールを使用する一般レース(写真左下、右下)や子供レース、ダンボールで造られた舟にのって競争するダンボール舟レースなどが開催されます。子供から大人まで、やる人も見る人もみんなが楽しめる、そんなイベントです。

オールを使う「一般レース」 競争なのですが「スピード落セ」 なかなか真っ直ぐ進んでくれません

この画像を見ただけだと「人数も多いし、結構簡単なんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。とんでもありません。確かに一隻の舟には20人近くが乗り込みますが、一人一人が必死で漕がないとなかなか前に進みませんし、周りとの呼吸が合わなければ舟は真っ直ぐ進んでくれないのです。決して長い距離ではありませんが、コースを往復してゴールに戻ってきた頃には息も上がってヘトヘトになってしまいます。昔の人たちはこのような舟を漕ぎながら更に鯨を捕まえていたというのですから、いやはや恐れ入ります。

参加してみよう

体力に自信のある方やただ見てるだけじゃつまらないという方は、実際に体験することもできます。チームを組んで出場(事前に申し込みが必要です)とまではいかなくても、毎年体験乗舟を受け付けているようなので、是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか?ダンボール舟レースと共に、当日申し込みで参加可能だそうです。

例年7月第3日曜日に開催しており、夜には花火大会も用意されています。詳細については、ふるさと室戸まつり実行委員会事務局までお問い合わせください。

ふるさと室戸まつり実行委員会事務局(室戸市観光深層水課内) TEL:0887-22-5134

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