稲生のエンコウ祭
-河泊様-

相撲の土俵と絵金の描いた絵馬とエンコウ(河童)のフィギュア像

南国市稲生の町にある河泊神社で旧暦6月12日に行われる「エンコウ祭り」。地元の人達には「河泊様(かはくさま)」と呼ばれて親しまれています。エンコウとは河童のような妖怪のことで、水難事故等がないように水との関わりの深いエンコウにお願いをするお祭りが「エンコウ祭り」です。

稲生橋のエンコウ

稲生は高知市と南国市を流れる下田川流域の町で、石灰の町として高知では良く知られています。下田川の北岸には今も石灰工場が並び、工場周辺は石灰の白い色に覆われています。

町の中の工場が最も並んでいる辺りの下田川に架けられた稲生橋には、地元の小学生が描いた(と思われる)エンコウの絵を元に作られたパネルが付けられています。ちょっと漫画のデビルマンに似たエンコウでインパクトがあります。道路を通ったり、橋を渡ったりする度に目を惹き、さすが、エンコウ祭りが行われている町だ!と思います。

エンコウのポーズは2パターン。立っているのと、座ってお酒を飲んでいるのとがあります。近くを通る時に、是非、見てみて下さい。

稲生橋のエンコウ 稲生橋のエンコウ 稲生橋のエンコウ

エンコウにお願い

「エンコウ祭り」では、稲生小学校の子ども達による奉納相撲が行われ、境内には絵金の絵馬が飾られます。境内は、さほど広くはありませんが、とても雰囲気のある神社です。境内の奥にあるお社には、エンコウが好きだからでしょうか、大きなキュウリがたくさん供えられていました。

今はコンクリートの堤防で囲われた下田川ですが、一昔前までは、楽しく泳ぐ子ども達がたくさんいたそうです。下田川での水難事故がないように、また、作物を育てる水に難儀がないように、地域の人達はエンコウにお願いをするそうです。

河泊神社のお社 河泊神社に続く道に飾られた灯篭 河泊神社に続く道に飾られた灯篭

神社に向かう道には、ちょうちんの他、子ども達が描いた絵を入れた紙灯篭も飾られており、地元の人達が大切にしているお祭りだという事が良く分かります。派手ではないですが、良い雰囲気のお祭です。

河泊神社に続く道に飾られた灯篭 河泊神社に続く道に飾られた灯篭 河泊神社に続く道に飾られた灯篭

エンコウフィギュアが登場!?

2009年の「エンコウ祭り」から、1メートル位のエンコウのフィギュア像が「エンコウ祭り」に登場しました。地区の人達が海洋堂の関連会社に制作依頼をしたものだそうです。

エンコウは河童の妖怪なのですが、このフィギュア像の頭にはエンコウや河童の象徴である「皿」がありません。土佐には、エンコウに似て非なる「シバテン」という妖怪もいます。これは、エンコウの頭の「皿」の無い、陸に住む妖怪とか天狗のようなもの、と言われています。稲生のエンコウは、あえて「皿」がない像にしたそうですが、象徴である「皿」は、付けておいて欲しかった…と、個人的には思いましたが…、ご覧になられた方は如何思われたでしょうか。

河泊神社境内の絵金の絵馬とエンコウのフィギュア像 河泊神社境内の絵金の絵馬とエンコウのフィギュア像 河泊神社境内の絵金の絵馬とエンコウのフィギュア像

(2009年8月5日)

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