土佐凧揚げ大会

 

新暦のお正月が過ぎた頃から、幾つかの場所で「土佐凧揚げ大会」が行われます。

比較的有名なものとしては、1月に香美郡野市町の物部河川のグラウンドで行われるものと、 旧正月の頃に行われる香美郡香我美町の広〜い田んぼで行われるものがあります。

ちなみに1997年は前者が1月12日(日)、後者が1月26日(日)に行われました。

土佐凧にもあるように、土佐では凧揚げが祝事の一つとされていました。 男の子が生まれた家へ「初凧」として(図柄は家紋が多かった様です)村の若連中(青年団)や近隣家族から誕生祝いとして贈られる習わしがあり、この「初凧」を上げ、祝宴を開き、 子供の限りない成長を願った・・・・ということです。

香我美町の凧揚げを見ていて思ったのですが、すっごく体力がいる!! 若い士が中年のオンチャンの指示の下、広い田んぼの中を汗だくで走り回っていました。

昔から、初凧揚げが若連中の行事に組み込まれてたということですが、納得のいく事です。

ジャーラの奪い合い

 

凧揚げのルールは、「ジャーラ」(シッポ、「おば」と言う人もいます)のかけ合戦です。 「ジャーラ」を上げる大凧(3m以上)と、「ジャーラ」を取る小凧(1.8m前後)が上げられます。

「ジャーラ」の長さはなんと80〜100mで、その「ジャーラ」に、6〜7mおきに景品の番号 がつけてあります。番号は1から12番(6と9は欠番)です。

大凧の上げ方

札を求めて走る子供

(1)斗桶出し(とおけだし)(2)焼き出し の2種類があります。

斗桶出し(とおけだし)は、大凧に「ジャーラ」を直接結び付け、そのまま上げる方法で、 「ジャーラ」の端が地上から上げれば、小凧(1.8m四方ぐらい)が、「ジャーラ」を掛け取ってもかまわないそうです。

焼き出しの場合は、大凧に焼き出しかごをくくりつけます。

焼き出しかごの下には火縄を付けてあり、5〜10分で火縄が焼えつき、 「ジャーラ」を詰めてあるかごの下の糸を焼き切って、ジャーラが垂れて来る仕掛けになっています。

大凧の下に付けた焼き出しかごを天高く上げると、その焼き出しかごが真二つに割れ、 中から100m以上の「ジャーラ」が舞い出るそうです。すごそうですね。そして、この「ジャーラ」を取らんとする数々の小凧の微妙な動きには、圧倒されるものがあるとか。

お楽しみ券

お楽しみ券

子供達のために、「ジャーラ」の代わりに焼き出しかごの中に札(カード)を入れて、 空中より散りまき、その札(カード)と引き換えに景品をあげることもやっています。

この札(カード)は、香美郡野市町で行われた凧揚げ大会の時に獲得したものです。 そして、それを引き換えた景品はさて何だったんでしょうね?(^^)参加してのお楽しみです。

香我美町の凧揚げ大会では、結局、札(カード)を拾う事が出来なかった(子供たちに負けた)ので、 どういった札(カード)が使われているかは分かりません。残念。

見ているだけでも楽しいですよ。行ってみては如何でしょうか?

メモ

取材協力:東 恭弘、写真協力:marie
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