どろんこ祭り

どろんこ祭りの早乙女

どろんこ祭りは、田植えを終えた早乙女が田んぼの泥を男性の顔に塗る長浜地区で行われる祭りとして、高知県内ではよく知られいます。

以前は八十八夜を目安に五月上旬に行われていたということですが、幾度かの変更を経て、平成3年からは4月第一土・日・月の3日間の開催となっています。高知市長浜にある若宮八幡宮で神事を行い、泥塗りは長浜全域で行われます。

祭りの由来

一般的には、「二代土佐藩主忠義がお忍びで当地(長浜地区)を通行中、早乙女のはねた泥が袴を汚した。ところが、怒るどころか労いの声をかけた。これを見た農民たちが泥をかけあって喜んだのが祭りの起源」と言われています。また、「疫病が流行り、若宮八幡宮に儀式田を奉納して退散を祈願したところ疫病がおさまったので、泥をかけあって喜んだのが始まり」とも言われています。

しかし、本来は田植えの終了時に際して田ノ神のご利益にあずかろうとする心から出た行事だろうということです。

神事、そして「お田植え」へ

若宮八幡宮での神事の後、当家地区の人達が拝殿前に集合して記念写真をとっていました。その後、一行は行列を組み、儀式田への「お田植え」に向かいます。

天秤棒で苗を担ぐ男性 儀式田に向う行列 儀式田に向う行列

「お田植え」の儀式田

以前は「お田植え」に、日出野地区(現在の競馬場近く)にあった儀式田まで皆で歩いて行っていたそうですが、昭和60年から境内に儀式田を構えたということです。とは言え、日出野地区の田も耕作されているそうです。

儀式田 儀式田に集まり神事 早乙女

「お田植え」

儀式田に到着すると、行列を導いていた御幣を付けた竹が儀式田の北側中央に建てられ、儀式田の南側で祭典が始まりました。そして、祭典後に「お田植え」開始。

苗が儀式田のあちらこちらにポンポンと投げ込まれ、早乙女が横一列に並んでお祓いを受け、お祓いが終わると「お田植え」が始まりました。「お田植え」をしている早乙女たちは、日頃は田植え等したことがない人達だと思われます。慣れない所作がまた可愛く、大勢のカメラマンを魅了している様に思えました。

早乙女たちによる「お田植え」が儀式田の半分位までになると、お田植えサポートの女性達が儀式田に入り苗を植えていきます。苗を植えている間、儀式田の周りを「土佐どろんこ踊り」や「長浜歌謡九章」等を踊っていました。そして、「お田植え」終了と共に、太鼓が叩かれ、泥ぬり開始。

未来の早乙女 早乙女によるお田植え 儀式田の周囲を踊る

泥ぬり

女性は泥は塗られません。男性には誰かれかまわず泥を塗っていい事になっていますが、地元の方でない場合(観光客)には塗っていいか…と聞いている様でした。

手桶に入っている泥を見せてもらうと、とてもキメが細かく、まるで泥パックに使う泥のようでした。泥を塗られると、その年は夏病みをしないと言われているそうで、泥を塗られた男性が礼を言うのが昔からのしきたりだそうです。また、泥を多く塗られた男性ほどモテる証拠だということでした。

だいたい10分位で、太鼓が鳴り、儀式田周辺での泥塗りは終了。これ以降は、桂浜等の観光地に出向き、泥塗りを行うという事でした。

儀式田の近くでは、カコや紫色をした古代米から作ったお酒が振舞われていました。(2012年4月)

泥の入った手桶を持つ早乙女 泥をぬられた男の子 カコとお神酒のふるまい
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