仁井田神社の秋祭り

御旅所の土俵の神輿

11月1日に行われる高知市三里の仁井田神社の秋祭り。勇壮な神輿の練りと奉納相撲が行われます。

歴史ある仁井田神社

現在の三里地区の総氏神である仁井田神社。坂本龍馬の「船中八策」が練られた船「夕顔丸」の絵馬が、1981(昭和56)年に見つかったことでも知られます。この絵馬は、高知市指定有形文化財となっています。

勧請年は不明ですが、窪川の仁井田神社を勧請したと伝えられています。大宝年間(701〜704年)に神社が焼失したという言い伝えもあることから、随分と歴史のある神社だと思います。

秋祭りの御神幸行列で持っていらした金幣には「貞享元甲子歳九月十九日」、貞享元年は1684年です。随分と前からお祭りをやっているのかもしれません。

貞享元甲子歳九月十九日奉納の金幣 神輿を担ぐ若い衆 御神幸行列の前に記念撮影

お神輿と雷と若い衆と

御旅所で、地元の方にお聞きした話。

昔は、東町と西町の氏子が年毎に交代でお神輿を担いでいたそうです。或る年、西町の若い衆が神輿を担いで、御旅所に向かっていたところ、にわかに激しい雷と大雨が降りだした。

「これがたまるか!」と、西町の若い衆はお神輿を道のふちに置いて、逃げて帰ってしもうた。その時、東の若い衆は、お神輿のことを聞いて「それがたまるか!」と、お神輿のところに走って行って、お神輿を仁井田神社まで担いで帰った。

それからは、西の衆が担ごうとしても、お神輿が重とうなって、どうにも上がらない。天気が荒れる。ところが、東の若い衆が担ぐと、お神輿はしゅっと上がる、天気はようなる。ということで、これから後は、東の若い衆だけがお神輿を担ぐようになった、ということです。

神輿を担ぐ若い衆 神輿を担ぐ若い衆 神輿が御旅所に到着

相撲好きの神さま

仁井田神社の神さまは、とても相撲好きだとか。御旅所には土俵があり、子ども相撲と大人達の相撲が奉納されます。昔は近隣の相撲自慢の人達で大賑わいだったと言います。

近頃は相撲は高校の相撲部が来てくれているとも御旅所にいらした氏子の方が教えて下さいました。

電信柱に貼られた相撲大会のチラシ 子ども相撲の奉納 高校相撲部による奉納相撲

御神幸行列

昼過ぎに、仁井田神社を出た御神幸行列は最初の御旅所で神事を行います。神事の後、再び、浜に近い御旅所へ。若い衆は、歌に合わせてい「よーい、よーい、よーいやさ、ありゃりゃ、こりゃりゃ」と威勢よく声をかけ合い、お神輿を激しく揺らすので、お神輿に付けられた鈴が賑やかに鳴り響きます。

御旅所に入るお神輿 御旅所での神事 御旅所の様子

次の御旅所では、神事の後、榊台に参拝に来ていた人達がわっと群がり、あっと言う間に榊台が丸裸に。びっくりする位のスピードで榊が無くなりました。

神事の後は、奉納相撲。土俵横に作られた櫓の上で、お神輿を担いで来た若い衆達はお酒を飲んで相撲を見ています。

神事中の榊台 葉がなくなった榊台 高校相撲部による奉納相撲

午後5時半頃、練り子達に大人が土俵上を向こうまで走って帰って来るように言います。その後、お神輿が土俵の上へ。歌に合わせて、若い衆が「よーい、よーい、よーいやさ、ありゃりゃ、こりゃりゃ」と声をかけながら激しく練ります。

土俵上で十分楽しまれた神さまは、激しく揺られながら仁井田神社へ帰っていかれました。

土俵上を行って来いする子ども達 土俵上のお神輿 神輿を激しく揺らす

動画

取材日:2012年11月1日、2013年11月1日、2014年11月1日、2015年11月1日
(掲載日:2015年11月1日)

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