水晶文旦
旬
10月上旬〜12月中旬
文旦いろいろ
高知は、文旦という柑橘の果樹栽培が高知は盛んですが、文旦も色々あり、主に、土佐文旦、水晶文旦が良く知られています。これら、もちろん品種も異なりますが、育ちの違いも大きい様です。土佐文旦は温室栽培もありますが、ほとんどが路地栽培で、水晶文旦は温室栽培です。
水晶文旦は、食感はスウィーティーに似ていますが、スウィーティーよりも甘く、 土佐文旦と比べると、少し甘みが強く、酸味に尖がった感じがなく円やかな美味しさの様に思います。温室育ちだけあって、路地栽培の土佐文旦と比べると随分と皮も薄く、玉も小さいです。
水晶文旦の歴史
戦前に、高知市の吹井(ふけい)(武市半平太の生家のあるところです)で、「内紫(うちむらさき)」という品種の一枝に突然変異で実ったものを戸梶氏が発見し これを接ぎ木で育てた事に端を発していると言われています。
少し、横道に逸れますが、この内紫、今の水晶文旦のご先祖様とは思えない位、大玉です。内紫と水晶文旦、リンゴを並べて写真にとった物で見比べて下さい。一番大きなのが内紫です。また、内紫は、その名の通り、果肉も薄い紫色というか桃色です。水晶文旦の黄色い果肉と比べてみると、色の違い、大きさの違いが良く分かると思います。
吹井で生まれた、内紫の突然変異の水晶文旦のご先祖様の木を、その後に吉良川に移住した戸梶氏が、近所の柳川氏に託しました。
そして、昭和50年頃に高知県山北の農家の人達がこの苗木を購入し、寒さに弱い品種であったことからハウス栽培を始め、 生産に成功しました。
このようにして生まれた文旦ですが、「水晶文旦」の名前は、昭和33年に大阪府立大学の田中長三郎(当時)先生によって付けられています。(2012年7月1日:命名者名について修正)
美味しい水晶文旦の選びかたと食べかた
水晶文旦の最適サイズというのがあるそうです。大きすぎると甘さが薄く、今一つ。 だいたいソフトボールより一回りちょっと位大きいのが一番だとか。 暖かい場所(室温20度前後)に2〜3時間程度置いた後、食べると美味しいです。すぐに食べない時は、籠に入れて室内に置いておくととても良い香りがします。形が似ているからといって、グレープフルーツの様に冷蔵庫などで冷やさないで下さいね。
この水晶文旦が終わったら土佐文旦の季節です。
協力:青果の堀田
もっと詳しく文旦のことを知りたい方は:白木果樹園の「ぶんたん博物館」へ